神と戦う物語の考察

神と戦う話にオチがつけられない、というのは
ゲーテルの不完全性定理で言う、システム内では解決できない矛盾だと思う
神と人間というシステムの外側からしか解決は不可能なので、話にオチを付けるには、神と人間の更にその外側を設定すれば、いったんのオチを付けることは可能だな

超能力、時間旅行についで
人間のお話に息をするように登場するのが神だよな
人間の想像できることは何でもできる存在が神
人間の想像力に規定されているのが神だ
まぁ人間とセットなんだよな
神単体では存在できない

平井和正の地球樹の女神で
主人公が、あの橋のたもとで川面を眺めていた時
世界が改変されていたんだ、ってのがあるんだけど
これも一種の夢オチだよな
主人公が世界を改変するって
それは世界は主人公の夢だって事だもんな
まー幻魔大戦の一遍だし
神と戦う話なのは言うまでもない

という事で一番の正解は神は現れない
って事だと思うなー
遠藤周作の沈黙なんか、神が現れないから名作なので
出たとたん、嘘くさくなるのは、どんな話でも一緒
出さないでどれだけ引っ張れるかが、ポイントなのです
レイダースとかでも最後の奇跡が起きて、全部嘘じゃん、と思う訳ですから。

ドラゴンボールでの神ってのは
まぁだから、うまく神問題を回避している
非常に賢い、
問題が起きる前に回避している所がやっぱ
鳥山明は天才って言われちゃうよね、って感じだ

神と戦っちゃうと
一番ありがちなおちだと、夢オチだよな
全部夢でした!
これでわりと話は丸く収まる
読者の満足がないのを、どれだけ薄められるかの手腕次第だ
現実的な解だと、これぐらいだよな

つまり、
神よりも強いのは自分の主観である
人生は気持ち次第という事

しあわせな気持ちに自分がなる様に
自分の生きる環境を整えてゆくのが、
しあわせを感じる
つまりは、神に勝つには必要だ

根性や気合で、しあわせを感じるなど不可能だ
だれにでもわかる事だと思うけど

どうおもう

最近だと、ワンパンマンのネットでの連載が二回、一年以上かけて書いたパートを没にして
神と戦うのを回避した
やはり戦いを挑む時点で、これは泥沼だからやめようという判断があったんだと思うな

うん、最新の連載では一撃で倒して、正気に戻してる、サイタマが殴ると正気に戻るまでセットで展開した

ああ、おもいだした、マンガのバスタードも神を出して止まっちゃってるね

自分が思うこの件での天才は、幻魔大戦を死ぬまで書きとおした平井和正だろう
最後の方は現時点で誰にも評価されていないが、
自分を信じて、命尽きるまで書き切った、平井和正は天才の生きざまだろう

SF作家に2タイプいるって話を前にしたけど
平井和正は完全に内面世界を書いてる、ディック神林と同じ系統だな

以下、2タイプ論
SF小説か
FKディック、平井和正、神林長平、とが好きだな
なんていうのかな、この3人に共通なのは
主人公の内面が世界全体と関わる、みたいな話が多い
ってことかな、今で言うとセカイ系か
まーでも恋愛話ではないな
現実が崩れて行く感が強い作家たちだな
そーゆーのが好きだったな

SFでもこーゆータイプの話が好きじゃない人は結構いて
割合としては少数派な気がするな
もっと現実感のある世界設定が好きな人の方が多い
よーな気はするな

現実が崩れて行って
自分とはなんだ、みたいになっていくのが
まぁ好きだった訳だが
SFでもSF世界自体に現実感のある話は
そーゆー展開をしないな

現実感のあるSF世界を書いてるのが好きな人と
自己とは何だろう、みたいなSF話が好きな人と
SF好きって言っても、大きく二つに分かれる気はする
自分は、自己と何だろう系が好きな派閥だな

どうおもいますか

自分が思うのはカートヴォガネットって不思議な話を書くし評価も高いけど
「自己とは何か系」ではないと感じるな
あの作家は自分には疑念を抱いていないというか、
興味の焦点はそこにはない感を感じるな
それがたぶん読んでも、ピンと来ない理由だろうな
不思議な世界を書くけど、あの作家が書きたいのは
この現実世界であって、そのおかしな比喩として作品世界があるだけって気がする

平井和正やFKディックが生きた時代に理解されない天才の姿勢で作品を作って行ったのに比べて思うのは
筒井康隆はやっぱ秀才に見える、凡人に理解できる程度の突飛さをいっぱい書いている
たしかに優秀だが、枠を超えない秀才さ、常に他人にどうみられるかを気にして書いてる感じを受けるな
売れるためにはそれは必要だけどさ

自己系ではないともうけど
ハインラインの宇宙の孤児とか、好きだったし(子供の頃にほぼ最初期に読んだSF)
あんまりぴんとは来なかったが宇宙の戦士とかは
今の人間の視点を別の視点に切り替えようとするダイナミックさがあって好きだったな

ディック、ハインラインと来ると
やっぱアシモフかな、
まぁSF小説の大御所だけどさ
銀河帝国の興亡とか、他の長編とかさ
オーソドックスだけど、好きだったな
始祖として超強力だなと思う

自己系を感じるのはスランとか非Aの世界とかのヴァンボクトかな
ヴァンボクトはFKディックへの影響力を感じるな

ヴォークトを感じる特徴は、主人公の非人間ぽさかな
なんだろーな、その人個人の内面のなさを感じるな
抽象化された記号としての登場人物を感じる
部屋の床に落ちているゴミを描写しないみたいな感じ
そのゴミをしつように描写するとディックになる気がする

筒井康隆に対して、天才!という言葉は割と見えるけど、そーかなーと思い
それは
天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ 北野唯我
で書かれていた、凡人には秀才が天才に見えて、天才は理解できないのでいじめる
という話なんだろーなと思う

そういえば10年以上前にミクシーってSNSで自分の日記にFKディックの事を書いていたら
ディックは嫌いだとわざわざ書いてきた知り合いがいて
そーゆー事は自分の日記で単独で書けばいいだろー、コメントすんな、と思ってブロックしたことがあったが
凡人を殺す天才の本には、天才であるかどうかは凡人の反発の力で判断することが出来る、とかいてあって
この判断の特異な点は、天才の業績が達成される前でも、凡人の反発は観測する事ができるという言う事だと思うな
まぁ要するにこの話はディックはヤッパリ天才なんだなーと思う感じだな

どうおもう
と、これをAIに聞いてみたら色々と興味深く回答してくれますよ